司法書士試験はどのくらい難しい?

司法書士はそう簡単には合格できない試験で、一般的に言うところの難関試験になります。もっとも、世の中には難関試験と言われるものはゴマンとありますから、ひとくちに「これ難関試験なんで」と言われてもどの程度のものかイメージがわかない方が殆どでしょう。

というわけで、司法書士はどのくらいの難易度なのかを検証してみました。他資格と比較すればイメージしやすいだろうということで行政書士や司法試験と比較してどうか?ということ。さらに、試験制度等からも司法書士の難易度を計ってみたいと思います。

興味があればどうぞお付き合いください。

行政書士の難易度と比較

司法書士と行政書士の難易度比較ですが、司法書士の方が断然難易度が高いです。

下、行政書士と司法書士の比較表になりますが、どこを取っても司法書士の方が厳しいのが見て取れます。勉強時間など3倍の格差があります、これはもう明らかでしょう。

司法書士 行政書士
勉強時間 1500~3000時間 500~1000時間
出題範囲 幅広く科目によっては非常に細部が出題 どの科目も基本的にな部分
合格率 4~5%台 10%強

行政書士の選抜方法も関係あり

また、試験合格者の選抜方法にも両者の難易度に影響を及ぼします。それは、司法書士は相対評価、行政書士は絶対評価ということです。

  • 相対評価:受験者内で相対的に上から点数が良かった者が合格。一般的な選抜試験はこちら。
  • 絶対評価:周りの受験生の点数は関係なく、合格点さえ取ればそのものは合格というもの。

つまり、司法書士は競争原理が働きますので勝ち抜く必要があります、当然それは厳しいものがあります。他方、行政書士は自分がライバルと言いますか、自分が合格点取ることだけに集中すればよいというもの。

このように、司法書士と行政書士の間には、歴然とした難易度の差があるとハッキリ言ってもいいでしょう。

行政書士との難易度は以上のようになりますが、その他の知資格についても比較してみたいと思います。

弁護士の難易度と比較

司法書士と弁護士、つまり司法試験とも比較してみましょう。難関試験である司法書士でも、司法試験の方が難易度は高いと言えます。昔から司法試験は文系国家資格最難関と言われていましたが、それは今でも変わらないと思います。

参考までに、下の比較表をご覧ください。

司法書士 司法試験
勉強時間 1500~3000時間 3000~8000時間
出題範囲 幅広く科目によっては非常に細部が出題 科目にもよるが、範囲自体は同党もしくは司法書士の方が広い。しかし、司法試験の方がはるかに深い。
合格率 4~5%台 50%程度

ご覧のように、勉強時間を除けば微妙です。司法試験の合格率を見れば大したことないねと思われる方もいると思います。でも、やはり司法試験の方が難易度ははるかに高いのです。

弁護士と司法書士はその道程が段違い

司法書士試験は、筆記試験と口述試験です。筆記試験に合格した者だけが口述に進みますが、その口述は殆どの者が合格します。つまり、実質的には筆記試験合格すれば司法書士には合格したようなもの。実質1日で決まります。

  1. 司法書士筆記試験
  2. 司法書士口述試験
  3. 司法書士合格


司法試験はこうはいきません。まず、司法試験の受験資格を得るためにとんでもない山を越える必要があります。司法試験の受験資格を得る方法は2つ、予備試験という試験に合格するか、法科大学院の課程を一定数修了すること。

予備試験ルートから司法試験合格までのルートをチャートで見てみましょう。

  1. 予備試験短答試験(合格率約20%)
  2. 予備試験論文試験(合格率約20%)
  3. 予備試験口述試験(合格率90%超)
  4. 司法試験

このように、予備試験は合格率約4%であり、そこを勝ち抜いた者と、法科大学院ルートの者を合わせて司法試験、そこから半分程度のものが合格、というもの。さらに言えば、司法試験合格しても1年間の司法修習が待っており、そこの卒業試験である「二回試験」に合格できないと弁護士にはなれません(裁判官・検察官も同様)。

いかがでしょう?その道のりの差は、司法書士とは比べ物にならないくらい長く厳しいものということがお分かりいただけたと思います。

司法書士は独学でも合格できるか

そんな司法書士試験は独学でも合格できるのでしょうか。

法律初心者が独学合格をもくろんだ場合、絶対無理とは言いませんが、それは無謀といえるぐらい程度の厳しさはあるんじゃないかとと思います。仮に合格するとしても、5年では無理、7年は必要なのかなと思います。もっとも、9割5分の人はモチベーションが続かなく途中であきらめるのがオチだと思います。

そういう意味では実質的には独学では無理なのかもしれません。

記述式は独学では無理

違う視点で言えば、独学だと試験対策の限界があると思います。司法書士試験には「記述式」という出題形態があります。不動産登記法と商業登記法で出題されますが、単なる法律の勉強とは異なりますので、独学では記述式で合格答案書くのは殆ど無理だと思います。

司法書士試験そのものから難易度を計ってみる

ここまでは司法書士試験の外側に注目して難易度を計ってみましたが、せんが、試験そのものに注目して難易度を計ってみたいと思います。

合格率が低い

難関試験を計る指標として代表的なのが合格率だと思うのです。その点司法書士はどうなのでしょう?

直近の令和3年司法書士試験の合格率は5.14%です。100人受けて5人程度しか合格できない試験なのですね。これは十分難関試験と言える低さではないでしょうか。合格率、実は上昇傾向です。以前は3%台という年もあって、ここ数年は4%台でした。受験者全員が一生懸命勉強して臨んだとは言いませんが、それでも本気の受験生の大半が合格できない試験。

合格当落線以上の受験生のレベルが高い

司法書士、というよりも、国家資格試験の多くに、「基準点」という考え方があります。詳しくは「合格基準点-司法書士試験が難関試験である理由」を参照いただきたいのですが、要は足切り点です。一定の条件を満たす点数を獲得していないと、どんなに点数取れてても合格にはならないというものです。

この基準点、司法書士の場合非常に高くなる傾向があります。これは何を意味しているのかというと、合格当落線以上の受験生のレベルが非常に高いということを意味します。当落線にいる受験生のレベルが高くかつ拮抗しているから基準点が押し上げられてしまうのです。

科目数が多い

民法は出題科目が非常に多いのが特徴です。全部で11科目。これは法律系資格では最大です。

  • 民法
  • 憲法
  • 刑法
  • 不動産登記法
  • 商業登記法
  • 商法
  • 民事訴訟法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 供託法
  • 司法書士法

11科目すべて勉強しなければならないというのは、本当に大変です。さらに、上で述べたように、当落付近以上の受験生のレベルがことさら高いため、本当に1問落とすことが命取りになります。だから、「捨て科目」というものを作るべきではないということになります。

11科目で捨て科目なし。これは厳しいです。

まとめ

いかがだったでしょうか。司法書士の難易度をあらゆる方面から検証してみましたが、司法書士試験は普通に難しい試験だということがお分かりいただけたと思います。しかも、「超」が付くほどの。「難関」て人によって定義が違ってしまうので、あえて超を付けさせていただきましたが、私から見てとにかく難易度が高い試験です。

それでも、毎年合格してくる人がたくさんいますし、その合格者のほとんどは社会人の方々です。つまり、やり様によってはそれほど非現実的な話ではないということ。時間がない中でいかに勉強していくかが超難関試験である司法書士合格のポイントなのでと思います。